2019年12月20日(金)~12月22日(日)の3日間、
ヘルミッペ(イラストレーター)と高崎悠介(プログラマー)による
ピクセルアートとブロックチェーンを融合したエキシビジョン
『出ピユピル記』を「#1010(名古屋・栄)」にて開催しました。

株式会社スタヂオポートマンは、
スポンサー、運営事務局として本イベントの開催を支援いたしました。

開催の目的

先立って2019年1月に東京で開催された『閉鎖国家ピユピル』では、
「ピクセルアート×ブロックチェーン」という異分野の組み合わせにより
「デジタルデータそのものを永続化し、所有可能にする」
という新たなアートの形が提案されました。

名古屋では、テクノロジーとその他の分野が接触する機会が
まだまだ少ないと感じています。

それは、未来の新しい可能性が生まれるチャンスを
逃しているということでもあります。


まだ名古屋に無いものを持ち込むことで、
テクノロジーと何かが出会うきっかけを創ることを目指し、
ヘルミッペ氏、高崎氏を東京よりお招きして
今回のエキシビジョンを開催しました。

展示について

前回の『閉鎖国家ピユピル』では、「デジタルデータの所有」をテーマに、
ピクセルアートとブロックチェーンを使って”永続する架空のリゾート”を表現しました。

続編となる今回の『出ピユピル記』では、開発に使用した
暗号通貨「NEM」のアップデートに揺れ動く
環境の変化や課題を物語に取り込みました。

新たなストーリーと世界観を表現した
映像インスタレーション、ZINE、リソグラフ、
新たなトークンデバイス等の展示に加え、
NEMブロックチェーンを使用した
「デジタルデータの所有」を体験できるスペースを設け、
展示と体験で『ピユピル』の世界を楽しむエキシビジョンとなりました。

東海エリアはもちろん、遠方からもご来場いただき、
展示を楽しむことはもちろん、アートやテクノロジーの
垣根を超えて交流が生まれる3日間となりました。

ライブドローイング配信

会期中、特別企画としてヘルミッペ氏による
ピクセルアートのライブドローイングをYouTubeにて配信。
3日間かけて『大名古屋ビルヂング』の懐かしい姿を完成させました。

ライブドローイング視聴URL(YouTube)
初日/ https://www.youtube.com/watch?v=ggrkIWOE58M
2日目/https://www.youtube.com/watch?v=bI2U8NPo3rY
3日目/https://www.youtube.com/watch?v=745PyJ9Af84

ピクセルアート×ブロックチェーンの体験スペース

ストーリーのワンシーンを再現した展示スペースの一画では、
新たなトークンデバイスの展示、NEMブロックチェーンを使用した
「所有できるデジタルデータ」の体験スペースを設けました。

QRコードをパソコンのカメラにかざすことで、
所有しているデジタルデータが画面上に表示される体験となっており、
プログラマーの高崎氏による技術の解説も行われました。

スピンオフ展示

2019年12月13日(金)~12月22日(日)まで、
ギャラリー系列の「cafe DODO」にて
『出ピユピル記』のスピンオフ展示を行いました。

スピンオフ展示では、本編の予告となる
ヘルミッペ氏のアートプリント作品の展示や、
今回の物語のヒントとなるキーワードを店内に配置し、
本番展示に来場する方が、よりピユピルの世界観を
楽しめるような内容での企画・展示を開催しました。


ピユピルの技術解説

唯一無二の所有できるデジタルデータを実現する「NFT」

一連のピユピルのエキシビジョンでは、
「デジタルデータを所有する」というテーマのもと、
NEMブロックチェーンを活用しました。

現行 NEM に実装されているトークン機能「モザイク」において、
同種のトークンは等価であり代替可能です。

ピユピルプロジェクトでは、このモザイクにデータを付加し、
本来 NFT 機能がない現行 NEM で NFT を実装し、
唯一無二の永続するアートを所有することを実現しました。

「NFT (Non-Fungible Token) 」とは?

「あなたが持っている千円札と、私が持っている千円札は無条件で交換が可能だ」
と言われた時に疑問を持つ人はいないはずです。
この性質を「代替性がある(Fungible)」と言います。

仮想通貨も通常は代替性があり、これにより通貨としての機能を持ちます。

しかし、トークンごとに個別の情報を与えた場合、
同種のトークンであっても、それぞれの価値が変わってしまうため、
あるトークンを他の同種のトークンで代替する事はできません。

これは例えると、
「あなたが飼っている犬と私が飼っている犬は、犬種が同じだけど交換できない」
という事と同じです。

このように、代替性がないトークンを
「Non-Fungible Token(以下 NFT)」と呼びます。

Ethereum では、スマートコントラクトを使用した
ERC721 という規格に基づいた NFT が利用されていますが、
現行 NEM のトークン「モザイク」には同等の機能はありません。

NFTのこれまでの活用事例と課題

ERC721 規格の NFT を使用したサービスの事例として、
『CryptoKitties』や『MyCryptoHeroes』などがあります。
これらのサービスでは、ゲーム内のキャラクターやアイテムを
NFT として配布および販売しています。

NFT にする事で、同種のキャラクターやアイテムをトークンとして作成し、
レベルや能力値の違いを付加して、
トークン毎に別の価値を与えることが可能です。

プレイヤーは第三者によらず NFT を自分自身のアドレスに
保持することができるため、資産価値がある事が謳われています。

しかしながら、キャラクターの画像データ自体は
そのファイルサイズの大きさから Ethereum チェーン上には
保持されておらず、画像を表示する際には
外部のファイルストレージ上の画像データを参照しています。

そのため、外部のファイルストレージ上のデータが失われた場合、
同じ画像を表示する事は困難であり、
真の意味で「プレイヤーが画像を所有している」とは言い難いと言えます。

ビットマップデータの NFT 化について

そこで、ピユピルプロジェクトでは、
NEM ブロックチェーン上にビットマップ画像のデータ自体を保持し、
画像を真の意味で「所有可能」な状態にしました。

ビットマップデータを適切なサイズに分割し Base32 エンコードした文字列を複数のモザイクのネームスペース名として保存。さらに画像保管用のアドレスに送付し保管する。画像データモザイクとは別に所有権モザイクを 1 つ作成し、メタデータとして画像保管用のアドレスをネームスペースに保持する。

画像データ自体と所有権を同一のブロックチェーン上に保持することで、
所有権を証明できる限り画像データも参照可能となります。

配布方法について

初期状態では、ピユピルはフィジカルな保管用デバイスに入っています。
デバイスにはピユピルのビットマップ画像と、
暗号通貨のウォレットのインポート用のデータが入っています。

そのウォレットにはトークン化されたピユピルが1つ保存されていて、
そのトークンには、デバイスに表示されるものと同じ
ビットマップデータが記録されています。

同じピユピルは2つとなく、それぞれが唯一無二の存在です。
したがって、それぞれのピユピルトークンは等価ではなく、
あるピユピルトークンを他のピユピルトークンで代替する事はできません(= NFT)。

世界で1つしか存在しないピクセルアートのデータを、
あなただけが所有する事ができる
のです。


アフターパーティ『MEET TECH NIGHT』

エキシビジョン最終日、「cafe DODO」にて
アフターパーティ『MEET TECH NIGHT』を行いました。

『出ピユピル記』では、アート×テクノロジー(ブロックチェーン)が
出会ったことによってアートの新しい形が生まれたことから、

今回のアフターパーティでは「テクノロジーと出会う」をコンセプトに、
テクノロジー分野で活動する人たちと、
テクノロジーをもっと知りたい・活用したい人たちの
出会いの場を作ることを目的としました。

ヘルミッペ氏と高崎氏による『出ピユピル記』のトークセッションでは、
ヘルミッペ氏からピユピルの世界観、アートの側面について、
高崎氏からは技術的な解説を聞くことができ、
様々な視点から楽しむことができるピユピルについて、
より深く語っていただきました。

特別ゲストでフード提供していただいた
野島氏による「バカレシピ」もインパクト抜群で大変好評でした。

参加者7名からの登壇タイムでは、普段テクノロジー分野に
触れる機会の少ない方にも興味を持って聞きやすい内容で、
ブロックチェーンの基本や開発、VRについてなど、
様々なトピックでのショートプレゼンが行われました。

業界やコミュニティの垣根を越えて、
参加者同士が気になることを気軽に聞き合い、
新しい出会いやきっかけが生まれる夜となりました。


最後に運営より一言

今回のイベントにご協力・ご支援くださった皆様、
そしてご来場いただいた皆様、
本当にありがとうございました!

皆様のご協力のおかげで、地元・名古屋に無かった
新しいコンテンツを知ってもらう場所を作ることができました。

今後もイベントなど企画する際には、
是非また一緒にできる機会があれば大変嬉しく思います!

(運営事務局/株式会社スタヂオポートマン)

関係者の皆様、ご協力いただいた皆様(※敬称略)

アーティスト

ヘルミッペ
高崎悠介

スポンサー企業

株式会社スタヂオポートマン
NEM財団
BlockChainJam

写真撮影

Office Muzzle Jump

フード提供(アフターパーティ)

野島慎一郎

会場提供

#1010
cafe DODO